製菓材料店にいくと、一際商品数が多い「小麦粉コーナー」。どの粉を選べばいいか分からなくなる人も少なくありません。
そこで今回は、プロのパティシエが薄力粉の選び方を簡単に解説します!
プロは焼き菓子によって薄力粉を変えている!
同じ薄力粉でも、焼き菓子専用粉やスポンジ向けなどいろいろな種類の粉がありますよね。これは、製粉メーカーさんが美味しいお菓子を作りたい一心で開発・改良を重ねてくれた結果です。実は、プロのパティシエは自分の作りたい「美味しい」に適した粉をお菓子ごとに使い分けているんです♪
たとえば、ふんわり仕上げたいスポンジケーキには粒子が細かくてたんぱく質の少ない粉が向いていますし、クッキーやタルト生地にはサクッと仕上がる粉を使うことが多いです。
スーパーで売られている薄力粉はお菓子にも料理にも使えるオールマイティなタイプが多く、専用の薄力粉と比べると、仕上がりに特化していないのが特徴です。特にスポンジケーキやクッキーを作り比べると食感や味の面で大きな差が感じられます。
失敗しない!粉選びのポイント
製菓用の薄力粉を選ぶときに注目したいのが、主に次の3点です。
タンパク質の量(グルテンの強さ)
小麦粉のパッケージ裏や商品説明に記載されている「粗たん白(または粗蛋白)」の値を見ることで、たんぱく質の量を確認できます。
少ないほどふんわり、やわらかく仕上がるのでスポンジやシフォンケーキに適しています。
多めのものは、しっかりとした食感に仕上がりやすく、クッキーやタルトに使われることが多いです。
粒子の細かさ
粒子が細かいほど、生地はきめ細かく、しっとりと仕上がります。スポンジケーキやフィナンシェなど、繊細な食感が求められるお菓子に向いています。
粒子が粗めの粉はザクッとした食感や香ばしさが出やすく、クッキーやタルト生地向きです。
粒子の細かさは「微粒子」「スポンジ用」「クッキー用」などの表記が目安になります。記載がないことが多いのでレビューや商品説明を参考にするのがおすすめです!
製菓専用かどうか
製菓材料店などで扱う「○○専用」と記載のある粉は、特定の焼き菓子のためにタンパク質の量や粒子の細かさが調整されています。そのため失敗が少なく、手間をかけずにお菓子のクオリティを上げられます!
スーパーに売られている小麦粉は天ぷらやお好み焼き、餃子など料理にも使えるように作られているのでお菓子作りにこだわりたい時は製菓材料店でお菓子用として売られている粉を選ぶのがおすすめです。
私のレシピは基本的にスーパーの一般的な小麦粉で作っていますが専用の粉に置き換えるともっと美味しくなりますよ♪
プロおすすめ薄力粉3選【用途別に紹介】
実際にプロも愛用する焼き菓子向けの薄力粉を3つご紹介します。
仕上がりの違いを、ぜひ実感してみてください!
- スポンジケーキにおすすめ:◯◯粉(リンク)
ふわっと軽い食感を出したいときにぴったり。 - クッキーやタルトに最適:◯◯粉(リンク)
焼き上がりがサクッと香ばしく、型抜きにも◎。 - 万能タイプ:◯◯粉(リンク)
失敗しにくく、いろんな焼き菓子に対応できます。
スポンジケーキにおすすめ
増田製粉所の特宝笠は多くのパティシエが愛用する定番のスポンジ向け薄力粉です。ふんわり仕上がるので私はスポンジケーキ以外にも、ガトーショコラ、パウンドケーキ、シフォンケーキなどに使用しています。
クッキーやタルトに最適
私がクッキーやタルトにいつも使っている「赤煉瓦」は小麦の香りとザクっと食感が楽しめます!スーパーの薄力粉と比べてクッキーを焼いた時のダレも少なく、綺麗な形を保ってくれるのでプレゼント用など「ここぞ!」というクッキーを焼く時にもおすすめです。

何にでもOK!万能タイプ
バイオレットは昔からプロの現場で重宝されてきた定番の薄力粉です!コストの事情で1種類のみの薄力粉でやりくりするお店ではバイオレットが使われることも多いくらい万能♪
スポンジケーキからクッキーまでカバーできるオールマイティなところが魅力です。
粉を変えたら、お菓子作りがもっと楽しくなる
なんとなく使っていた薄力粉も、少しこだわるだけで焼き菓子のクオリティをあげることができます♪「もっとおいしく作りたい」と思ったら、粉選びから見直してみるのもひとつの方法です!
特に、スポンジ向けの粉を作ると明らかに違うのでぜひお試しください。