「カスタードクリームの粉を片栗粉で代用できますか?」
「コーンスターチを薄力粉や米粉で代用することはできますか?」
という質問をよくいただきます!
基本的に私は「代用すると仕上がりが変わってしますので、レシピ通りに作ってください」とお答えしています。
しかし、どう変わってしまうのか分からないとモヤモヤしますよね。
そこで今回は、カスタードクリームに使う粉を変えるとどうなるのか炊き比べしました。
レシピは私の著書である『お菓子の相談室』に掲載したものを使用しています。
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カスタードの粉は代用可能?3種の粉で炊き比べ
カスタードクリームの家庭用レシピでよく使われるのは、薄力粉とコーンスターチです。フランパウダーや強力粉を使うこともありますが、どの粉も「増粘剤」の役割を果たしています。カスタードの粘度を高め、固さを左右する重要な材料です。
そのため、粉の種類が変わると固まり方に違いがでます。固まり方が違うと味わいや使いがっても変わります。
ここでは「コーンスターチ・米粉・片栗粉」で見ていきますが、「薄力粉」と「コーンスターチ」で比べたものを見たい方は以下の記事もおすすめです♪
今回使ったコーンスターチ、米粉、片栗粉
今回使った粉は以下のものです。
米粉は「リ・ファリーヌ」を使用しています。米粉は種類によって仕上がりが変わるため、別の粉を使った場合同じ結果になるとは限りません。製菓用米粉にも多くの種類があるので、作る場合はレシピで指定されている米粉を使用するようにしてくださいね♪
コーンスターチと片栗粉は一般的なものです。(たしか業務スーパーだったような…)
結論:片栗粉以外は、ある程度代用できる!
同じレシピを使い、粉の種類だけ変えた結果が上の写真です。
コーンスターチはレシピ通りですが、米粉に変えても綺麗に炊くことができました。片栗粉は、見ての通り形を止めることができないほどサラサラで、これをタルトやシュークリームに使うことは難しそうです。
前回の炊き比べで、薄力粉の代わりにコーンスターチを、コーンスターチの代わりに薄力粉は使用可能だとわかったことから「薄力粉・コーンスターチ・米粉」はある程度代用ができることが証明されました!
しかし、代用可能な3種の粉は、仕上がりの固さや味わいが異なります。あくまでも代用で、レシピ通りにできるわけではありません。各々の特性を知って使いこなすことが大切です!
レシピによっては粉を変えることで「固すぎる、柔らかすぎる」という失敗の可能性もあるので注意してください。
カスタードの粉を変えるとどうなる?
カスタードの粉は「薄力粉・コーンスターチ・米粉」であれば、ある程度代用がきくことが分かりました。ですが、前述の通り仕上がりには差が出ます。ここでは、固さ(食感)、味(風味)、使いやすさの3項目でその差を解説します。
片栗粉で代用が難しい理由についても深掘りしていきます!
固さ(食感)
今回の炊き比べの3種と前回の炊き比べの結果を合わせると、固い順に「薄力粉>コーンスターチ>米粉>片栗粉」となりました。
カスタードは粉のデンプンが糊化することで「弾力・固さ」が出ます。薄力粉は他の粉にはないグルテンを含むため1番強く固まったと考えられます。
米粉は、コーンスターチや薄力粉に比べると柔らかく「もっちり、ねっとり」した食感です。米粉は、コーンスターチと薄力粉に比べると粘度に影響を与える力が弱い傾向にあるため、やや柔らかくなります。量を調節したり、バターを入れて固さを出すとどのお菓子にも問題なく使えそうです。
片栗粉は、4種の粉の中で1番粘度がを出す力が強いものの安定性が低いので、過度の加熱や混ぜすぎると逆にサラサラになってしまします。今回の、形を保てないほどサラサラになった原因は、過加熱と撹拌のしすぎです。カスタードはしっかり火が通らないと食中毒の危険性があるため火加減が難しいので、片栗粉でいい固さを狙うには練習が必要だと思いました。
味(風味)
それぞれの粉で、仕上がりの固さが変わるため感じられる味わいも少し変化します。
コーンスターチは、ぷりんとして一見固そうに思われますが、実は歯切れが抜群に良いです。噛む回数も少なく、舌に残らないので、あっさりとした味わいに。
米粉は、もっちりした食感で舌に残るため、甘くミルク感を強く感じました。
お米の甘味はミルクと相性が良いため余計そう感じたのかもしれません。
片栗粉は、甘さが口に残る印象です。
ソースのようにトロトロなので咀嚼(噛むこと)がなく、卵とミルクの味を十分に感じられないことが要因だと考えられます。しかし、トーストに塗って食べると他のカスタードと同じように美味しくいただくことができました♪
ちなみに、前回実験した薄力粉では卵味を強く感じるという結果になりました。詳しくは前回の炊き比べをチェックしてください!
使いやすさ
使いやすさは、個人差があるので決めることが難しいです。そこで私は、自分がプロではなくお菓子作り好きOLだと仮定して独断と偏見でランクづけしてみました。
写真にはありませんが、薄力粉は「◎」です。しっかりと固さが出るため、タルトやシュークリーム、ミルフィーユにも使える万能なカスターになります。その上、ほぐしやすいので、誰でも使いやすいです。
コーンスターチは、そのまま食べてもあっさりしているため、生クリームを混ぜなくても使えるのが嬉しいポイント!また、そのまま絞っても角が綺麗なので、ミルフィーユやクレープに使っても良いですね。
米粉は、その粉によって「吸水率」が変わり仕上がりに大きく影響します。今回使用したのは「リ・ファリーヌ」ですが、他の米粉では違う仕上がりになる可能性が高いです。そのため、レシピ選びが難しいことが短所ともいえます。しかし、米粉への理解は使っていくうちに深まるのでお気に入りの粉を見つけ、同じものを使い続けるとトラブルも回避できます。(お願い:お菓子作りには製菓用米粉を使用してください)
片栗粉で作ると今回のようにトロトロになることもあれば、ぶちぶちと舌触りの悪いものができることもあるようです。火入れの加減が難しいので、作りやすさ・使いやすさともに「△」となりました。しかし、完全に使えないわけでもないので、どうしてもチャレンジしてみたい!という方は失敗覚悟でやってみるのも良いでしょう。
ちなみに、私は今回の片栗粉カスターをトーストや焼き芋に塗り、グラニュー糖をかけて炙ることでブリュレクリームとして消費しました。他のクリームと材料は同じなので、もちろん美味しく食べることができました!
まとめ
結論、コーンスターチ、米粉、片栗粉での炊き比べで分かったことをまとめるとこうなります。
- コーンスターチ、米粉は置き換えてもカスタードが作れる
- 粉によって仕上がりの固さや味わいが変わる
- 片栗粉をカスタードに使うのは難しい
薄力粉、コーンスターチ、米粉であればある程度代用できますが、基本的にはレシピを尊重し、そのまま作ることが大切です!手元にある粉からレシピを選ぶのも一つの手ですね。
9月27日に発売される『お菓子の相談室』では薄力粉カスターとコーンスターチカスターのレシピ2種を紹介しています!書店にどのくらい並ぶかわからないので、確実にゲットしたい!という方はECサイトでのご予約をお願いします。