「パウンドケーキの砂糖は上白糖でも良いですか?」
「粉糖をグラニュー糖に変えても良いですか?」
パウンドケーキのレシピには様々な種類の砂糖を使用するものがあります。
主に使われているのは、グラニュー糖・上白糖・粉糖です。
実は、同じ作り方をしても砂糖の種類が変わると、焼き上がりが変わります。
この記事では、パウンドケーキの砂糖を変えるとどうなるのか、3種の砂糖を使用して焼き比べた結果をわかりやすく発表します!読むだけで、自分の好みに近づけられるお砂糖選びができるようになりますよ♪
レシピは私の著書である『お菓子の相談室』に掲載したものを使用しています!
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パウンドケーキと砂糖の関係
パウンドケーキに砂糖が必要な理由を知らなければ、この焼き比べ結果を本当に理解することは難しいです。パウンドケーキにおける砂糖の役割は以下のとおりです。
『パウンドケーキでの砂糖の役割』
- 甘さを出す
- 焼き色をつける
- しっとりさせる
- 乳化を助ける
- 腐りにくくする
今回の実験にはあまり関係ありませんが、特に押さえておきたいのは「腐りにくくする」役割があること。このことを忘れ、甘さを控えるため砂糖の量を減らしてしまうと痛みやすいパウンドケーキになるので注意が必要です。
パウンドケーキ3種の砂糖で焼き比べ【結果発表】
結果は画像のようになりました!この項では「グラニュー糖・粉糖・上白糖」に分けて結果を詳しく解説します。砂糖の代用に悩んでいる人、オリジナルレシピで理想のお菓子を作りたい人は必見です!
グラニュー糖でつくるパウンドケーキ
グラニュー糖を使うと以下の特徴があるパウンドケーキができます!
グラニュー糖パウンドの特徴
- 焼き色が薄く、表面に白い点(溶け残り)が多く出る
- 膨らみは良好
- 食感は「ほろっ」
- 味は甘さだけでなく、卵やバターの風味がしっかりと感じられる
- 作りやすさはイマイチ
グラニュー糖とは、精製度がほぼ100%のお砂糖で粒が大きく硬いのが特徴です。
精製度が高いことから、雑味のないクリアな甘さなので他の素材の風味を活かすことが得意です。
しかし、粒が大きく硬いためバターと合わせると溶けづらいのがデメリット。表面の白い点は溶け残った砂糖の結晶で、グラニュー糖が1番出やすいという結果になりました。溶けていないので、砂糖の役割である「焼き色をつける」がうまく働かず同じ時間で焼いた粉糖・上白糖に比べると色が薄いのも目立ちますね。
粉糖でつくるパウンドケーキ
粉糖を使うと以下の特徴があるパウンドケーキができます!
粉糖パウンドの特徴
- 焼き色は適度によく、表面に白い点(溶け残り)が出ない
- よく膨らむ
- 食感は「ふんわり」
- あっさりとした味わい
- 乳化が簡単で1番作りやすい
粉糖はグラニュー糖を、粉末状にした(すっごく細かくした)ものです。そのため、溶けやすいので焼き色がグラニュー糖よりつきやすくなります。元は同じ砂糖なのに、粒の大きさが違うだけで焼き上がりが違うなんて面白いですよね!
溶けやすい特徴は「よく膨らむ」「ふんわり食感」「乳化が簡単になる」部分にも関わってきます。バターは砂糖を加えることで空気を取り込みやすくなります。粉糖は溶けやすいので、取り込める空気の量が多いため膨らみやすく、ふんわりとした食感になります。
また、バターに空気が含まれていること、砂糖が卵の水分と結びつくことで乳化が進みやすくなります。パウンドケーキの難所と言われる乳化の工程を簡単にしたいなら粉糖を選ぶと良いでしょう。
あっさりとした味わいに感じるのは、空気を沢山含んでいることと、粉糖が生地中に完全に溶け、満遍なく混ざっているので甘さの凹凸がなく感じにくくなっているからと考えられます。
上白糖でつくるパウンドケーキ
上白糖を使うと以下の特徴があるパウンドケーキができます!
上白糖パウンドの特徴
- 焼き色はしっかりつく、表面に白い点(溶け残り)が少し出る
- 膨らみは良好
- 食感は「しっとり」
- 甘さがしっかりと感じられる
- 乳化のしやすさは悪くない
上白糖とは、ショ糖に転化糖をまぶした糖類で日本で1番よく使われている砂糖です。ショ糖?転化糖?って感じの人も多いと思います。イメージしやすいよう、簡単にいうと「細かいグラニュー糖に水あめをまぶした砂糖」です。(厳密には違います!有識者の人怒らないでください!)
手で触った時にしっとりとしているのは転化糖がまぶされているからです。この「転化糖」が上白糖を使用するときのポイントになります。転化糖には焼き色がつきやすく、しっとりさせる力が強いという特徴があり、今回の結果にも影響しているのは明らかです。
特に、しっとり感は翌日〜数日たっても持続するためプレゼントにするなら上白糖がおすすめです!
グラニュー糖より溶けやすいものの、粉糖よりは溶けにくく、表面の溶け残り(白い点)が少し出ていましますが少ないのであまり気にしなくても良いと思います。
まとめ
パウンドケーキの砂糖を変えるだけで、全然違うものになることがわかりました。好みに合いそうなものはありましたか?
お菓子作りにおいて、お砂糖を勝手に増やしたり減らすことはNGな場合が多いです。冒頭でお話しした腐りやすさなどに関わってくるからです。しかし、グラニュー糖・粉糖・上白糖間であれば糖度がほとんど同じなので、ある程度置き換えが可能です。
自分の好みに合わせて砂糖を選んでみると新しい発見があるかもしれません。
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