こんにちは!お菓子相談室へようこそ♪
そろそろ進学、就職活動に本気で向き合う季節になりましたね。
今回はパティシエを目指す方に製菓専門学校に行くメリットとデメリットを現役パティシエの視点からご紹介します。
この記事はこんな人におススメです↓
*製菓専門学校に行くか行かずに就職するか悩んでいる
*パティシエになりたいけど専門学校以外の進路も検討したい
結論として本気でパティシエを目指しているならメリットの方がはるかに多いです!
私は高校卒業後、2年生の製菓専門学校に行きました。
結果的に製菓専門学校を激推ししていますが感じ方は人それぞれですので一緒に考えていきましょう!
*この記事はプロモーションを含みます。
製菓専門学校に行くメリット
基本的な製菓技術や知識を学ぶことが出来る
パティシエは日本語で言うと洋菓子職人です。ご存知の通り高い技術力や、専門的な知識が必要になります。製菓学校では基本的な技術や理論などの知識を教えてくれます。
基礎を1からしっかり学ぶことはとても大切で、これからのパティシエ人生において避けることはできない土台作りのようなものです。基礎ができない人が応用問題が解けないように、おいしいお菓子をぱっと作ることはできません。特に製菓学校では時間をかけて出来るようになるまで丁寧に教えてくれるのでその点が有益だといえます。現場に入ってから基礎学ぶことはできますが製菓学校卒の同期と差が開いてしまったり、先輩が一から優しく教えてくれるということは基本的にないのでかなりの努力が必要になります。
製菓用語に慣れることが出来る
製菓業界では普段の生活では使わないような言葉が沢山あります。特にフランス語の調理用語も多く使用されているのでひどい場合海外に来たかのように何を言っているかわかりません。
例えば、『液体などを漉すこと=パッセ』『生地にシロップを打つこと=アンビベ』『みじん切り=アッシェ』『オレンジの皮=オレンジゼスト』などがあります。
これ以外にも無限にあります。そしてこういう用語は家庭向けのレシピ本などには載っていないので、自力で勉強するより学校で慣れる方が効率的です。
もちろん直接お店に入っても慣れれば分かるので問題はありませんが知っていることでスムーズに仕事に入ることが出きます。
人脈ができる
製菓専門学校には自分と同じ夢を持った同級生が入学してきます。大学と違って専門ごと(洋菓子専攻や製パン専攻など)のクラスに分けられ、そのクラスで毎日行動を共にすることになります。衝突することもありますが同じ夢を追いかけた仲間はこの後の人生でとても貴重な存在となります。また、現役のスターシェフを特別講師として招く学校もあります。シェフのほうは優秀な若手を探しに来ている場合があるので人脈作りもできます。インターシップで得た人脈を使い就職する人も多いです。私もインターシップでお世話になったホテルのシェフに口利きしていただき入社したタイプでした。
就職活動のサポートをしてくれる
製菓専門学校には基本的に就職のサポートをしてくれる先生が在籍しています。この先生は沢山の卒業生と企業を結び合わせてきた就職のプロですからとても信頼できます。まだまだブラックなパティスリーや企業が多くありますが、これまで起こったトラブルや評判のいい店・悪い店をしっかり把握してくれているのでその先生に相談すればハズレの就職先を引きにくくなります。
ただ、就職率を優先しすぎるあまり少々横暴な進路指導をする先生もいるらしいのでオープンキャンパスなどでしっかり確認するのをおススメします。
製菓専門学校に行くデメリット
最終学歴が専門卒になる
最大のデメリットは学歴です。
大学に行かず製菓専門学校を卒業した場合、最終学歴が専門学校卒になります。専門学校卒で問題があるわけではありませんが、将来的に困る可能性があります。例えば、体を壊してパティシエとして働けなくなった時や別の職業に転職したいと思った時です。大学卒以上の学歴を求めている会社がほとんどなので就職活動が難航します。就職できても高卒と同じ扱いになり給料が低いこともよくあります。学歴は自由を得るためのチケットです。商品開発など、学歴がないとできないお菓子関係の仕事もあるのでよく調べて選択しましょう。
お金がかかる
製菓専門学校はその他の業界の専門学校と比べても学費がとても高いです。これは主に実習で使う材料費や光熱費が原因といえます。また、入学時に購入しなければいけない包丁などの道具セットも高価なことが多く、初期費用が掛かります。海外研修が別途かかることもあります。私は比較的学費が安い学校に行って1年で200万円以上かかりました。
製菓専門学校を卒業してもプロレベルにはなれない
学校を卒業したらいよいよプロとしてのお仕事がスタートします。ですが注意すべきは肩書はプロになりますが実力は素人に毛が生えたようなもの、ということ。厳しいことを言いますが学校で教わったことは半分以上実戦で役に立ちません。上記の通りあくまで教えてもらえるのは基礎の部分です。現場に入れば現場ごとのやり方・常識がありスピードも求められます。学校では習った通りにしたのに違うと怒られることもしばしば。特にスピードに関しては最初からついていけてる人を見たことがありません。それくらい学校と現場は別物なのです。しかし、基本的な製菓理論や単語はどこに行っても変わらないのでしっかり学習し、臨機応変に対応できれば問題ありません。毎日の修業の積み重ねで自然と実力が付き、プロとして恥ずかしくないレベルになっていくのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
メリットもデメリットもあり進路により迷いが生まれたかもしれません。
私は専門学校に行って後悔はありませんし、むしろ良かったと思えています。
沢山の仲間や先生、シェフと出会い、今も支えられています。
学校で得た知識や技術の基礎も確実に身になっていると感じています。
一刻も早く実績を積みたい人は行かなくてもいいかもしれません。
念には念をと大学に行ってから専門学校に通ってもいいと思います。
洋菓子協会が運営する夜間の製菓学校という道もあります。
パティシエは資格がなくてもなれる職業です。(一部製菓衛生士の資格を取れる学校もありますが就職において必須ではありません)
最終的には努力が物を言う業界。
沢山考えて、自分にとって最適な選択をしてくださいね。