ゼラチン・アガー・寒天を固め比べ!結果とそれぞれに最適なお菓子を紹介

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ゼリーを作る時に「ゼラチン、アガー、寒天、どれを使えばいいの?」と、悩んだことはありませんか?

どれも液体を固める凝固剤ですが、仕上がりは全く違います。

そのため作りたいもの、作りたい食感にあわせて選ぶ必要があります。

今回は、ゼラチン・アガー・寒天の違いを検証するため紅茶ゼリーを固め比べました。

同じ紅茶液に各製品メーカーの推奨量を添加し固めています。

これを読めば、

・ゼラチン、アガー、寒天の違い
・ゼラチン、アガー、寒天の特徴
・どの凝固剤がどのお菓子に向いているのか

が、一発でわかるので参考にしてください♪

この記事だけ見ておけばゼラチン、アガー、寒天を適切に選べるようになりますよ!

この記事はパティシエ歴7年お菓子作り歴15年以上の私が、実際に実験して書きました。

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前知識:アガー・ゼラチン・寒天を簡単解説

「そもそもアガーってなに?」「全部似たようなもの?」という人もご安心を。簡単な画像と表にまとめました!

性質主成分
ゼラチン動物性コラーゲン
アガー植物性食物繊維
寒天植物性食物繊維

ゼラチンは動物由来なのに対して、アガー・寒天は植物由来なんです!この違いが今回の実験結果に大きく影響してきます

アガー・ゼラチン・寒天の固め比べ【実験方法】

  • 固めるもの:紅茶液(砂糖あり)
  • 凝固剤の使用量:各製品、メーカー推奨量
  • 作り方:各製品、パッケージの記載通り

今回は、実際のお菓子作りに活かしやすいよう、水ではなく紅茶を固めました。凝固剤の使用量や使い方はメーカー推奨に従いました。

今回使用した製品は「かんてんクック・クックゼラチン・イナアガーA」です。同じ種類の凝固剤でも製品によって、特徴や癖があるので全ての結果がこうなるわけではありません。あくまでも個人の実験ですのでご了承ください。

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伊那食品工業㈱

アガー・ゼラチン・寒天の固め比べ【結果発表】

アガー・ゼラチン・寒天で固め比べた紅茶ゼリー「結果発表」

結果はこのようになりました。

ここからは各項目を詳しく解説します!

食感の違い

ゼリーといえば、「つるんっ」「ぷるんっ」という食感が大切ですよね!各凝固剤の解説は以下の通りです。

  • アガー:「ちゅるんっ」
    アガーは舌触りがなめらかで、独特な食感が特徴です。噛む必要がなくすぐ飲み込んでしまいます。
  • ゼラチン:「ぷるん」
    ゼラチンは1番なじみ深い食感で、ぷるんとした弾力が魅力です。冷蔵庫から出してしばらくすると、とろりとした粘度が感じられます。
  • 寒天:「サクッ」
    寒天は特有の硬さがあり、サクッサクッという歯応えが印象的です。食べた感が1番強いのは寒天です。

今回はメーカー推奨の添加量で固めているのでこの結果になりましたが、適切な範囲内で使用量を変えるとまた違った食感が楽しめますよ♪

それがわかる画像がこちら↓
ゼラチンの使用量を変えた実験です。

ゼラチンの使用量リスト

味の違い

味の違いは以下のように感じられました。

  • アガー:すっきり、清涼感がある
  • ゼラチン:アガーより味を強く感じる。口溶けがいい
  • 寒天:アガー、ゼラチンより濃く感じる。独特の風味がある

アガー→ゼラチン→寒天の順で紅茶の味を濃く感じました。これは「噛む回数」が関係しています。アガーは噛む必要があまりないので、ツルッと飲み込めるので紅茶の味より冷たく爽やかな印象が強くなり、寒天は硬く噛む回数が増えるため紅茶の渋みまで感じられました。

また、ゼラチンと寒天には若干ですが凝固剤自体の風味も感じられます。寒天はどうしても寒天らしい独特な風味が出てしまいますが、ゼラチンはしっかり冷やすと感じにくいので対策が可能です。

透明度の違い

アガー・ゼラチン・寒天で固め比べた紅茶ゼリー

ゼリーは透明感がある方が魅力的ですよね。SNSでも透きとおり清涼感があるものが人気です。今回の固め比べではこのような結果になりました。

透明度は
寒天<ゼラチン<アガー
の順で高くなる

紅茶を固めたため、少しわかりづらいですが透明感で大きな差が出ます。

アガーは無色透明、ゼラチンは黄みがかり、寒天は白く濁るという特徴があります。近年話題になった水まんじゅうにアガーが使用されるのは透明感が抜群にいいからです。

ゼラチンは商品のグレードによって透明度が変わってくるので、どうしても気になる場合は高価なものを使用するのも手です。しかし、紅茶ゼリーやレモンゼリー、いちごゼリーのように色がついているものを固めることの方が多いので少し黄みがかっていても全く問題ありません。

寒天は白く濁り、透明感はありませんがこれが魅力ともいえます。ほんわかマットな仕上がりは和スイーツにぴったりです!砂糖をたくさん加えることで、透明度が増すので透明感が欲しい時はお砂糖をたっぷり入れるといいでしょう。

保形性の違い

凝固剤の中には温度によって形を保つ力が変わるものがあります。それは「ゼラチン」です。
ゼラチン、アガー、寒天、どれも冷蔵状態では綺麗に固まっていますが、ゼラチンのみ25度以上で溶け始めてしまいます。

これはゼラチンが動物由来の凝固剤だからです。

夏場、お土産にゼラチンのゼリーを持ち歩く際は保冷剤をしっかり入れてくださいね!

それに比べて、アガーと寒天は植物性の凝固剤なため常温でも形が崩れません。

それぞれの注意点

ここまで固め比べで、お家で作るゼリーに大事な部分は全て説明できました!しかし、ゼラチン・アガー・寒天にはそれぞれ使用上の注意があります。すでに記したものもありますが、簡単に解説します。

アガー

アガーを使うデメリットは「離水しやすいこと」です。離水とは、ゼリーから水分が出てくることです。市販のゼリーを食べるとき、カップの蓋をあけると水が出ること、ありますよね。これが「離水」です。

ゼラチンや寒天でもおこる現象ですが、アガーは飛び抜けて離水が目立ちます。今回の実験のように切り込みを入れない、型から抜いただけの状態でも多くの水分が出てきます。

型から外すタイプのものは、食べる直前に外しましょう。

ゼラチン

ゼラチンを使う際に気をつけるべきことは2点です。

  • 溶かす温度と保存する温度
  • タンパク質分解酵素に弱い

保存する温度は上記の通り、25度以下でないと溶けてしまいます。また、ゼラチンは温度が高すぎると固まらない原因になります。ゼラチンは50〜60度で溶けるので、沸騰させないようにしましょう。

また、ゼラチンの固まらない原因になるのが「タンパク質分解酵素」です。パイナップルやキウイ、メロンに含まれることが多い酵素です。これらのフルーツは加熱することで酵素が弱まるので、使用する場合は下処理を忘れずに行いましょう!

寒天

寒天は上記のとおり固まると白く濁ったような見た目になります。お砂糖をたっぷり加えると透明になりますが使えるお菓子は限られます。ゼラチンとアガーは工夫により代用できる場合がありますが、寒天ではゼラチンとアガーの代わりにならないので注意です。

また、独特な食感と風味からフレッシュ感が出にくいデメリットもあります。

アガー、ゼラチン、寒天の最適なスイーツ

ここからは「アガー・ゼラチン・寒天」がそれぞれ、どんなスイーツに向いているのか解説します!

アガー

「ちゅるんっ」とした食感と透明感が魅力のアガーは、離水しやすい性質もあるため容器に入れるタイプのお菓子に向いています。

例えば…

  • ヴェリーヌ(カップスイーツ)
  • 飲むゼリー
  • 水ようかん
  • 水まんじゅう
  • 杏仁豆腐

アガーの最大の特徴は「みずみずしく弾力がある」こと!これを活かして喉越し爽やかなスイーツを作りましょう♪

※子どもやお年寄りが食べる時は喉につまらせないように注意してください

ゼラチン

ゼラチンは使い勝手がいいので、さまざまな洋菓子に使用できます。

例えば…

  • ムース
  • ゼリー
  • アントルメのセンター
  • レアチーズケーキ
  • マシュマロ

液体を固めるだけでなく、空気を抱きかかえる性質もあるのでマシュマロも作れますよ♪

また、アガーに比べると離水も少ないためムースやクラッシュゼリーに適しています。

寒天

寒天は和スイーツに使用されることが多いですが、洋菓子にも使えます!

例えば…

  • 寒天ゼリー
  • 琥珀糖
  • あんみつ(トッピング)
  • ようかん
  • パフェ(トッピング)
  • 寒天プリン

今や和菓子と洋菓子が融合するのは当たり前の時代です。固定概念にとらわれず、食感や見た目のアクセントとして使っていきたいですね!

まとめ

今回は「ゼラチン・アガー・寒天」の違いを検証するため紅茶ゼリーを固め比べました。

それぞれの特徴がよく出た良い実験になったと思います!この結果を参考に、ゼリー作りを楽しんでくださいね!

今回の使用した凝固剤

今回使用した製品はこちらです↓

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